シーソーゲーム
なるほど生きる喜び、目指す未来、そんなものを獲得したというわけではない。しかし岸が消えて、この時本当に知らなかった。それにこのことを知った時、本当にショックだった。アズサという存在がまさか神であるとは思えなかった。大概の人は神を信じている。だがその神が、これが神だと言われた時、仮にそれが本物だとしても、果たしてそれを受け入れることができるだろうか。拒否するのではないか。見えない神を信じて、ともにすごしていない時間を過ごしていない人でも、その人はいたと歴史で語られる場合、信じるしかない。言い換えれば、既成の事実として受け止める。それと一緒だ。俺だって明日は晴れになってほしいとか、この大事な場面にヒットを頼むとか、そんな時はひたすら神頼みをした。無宗教なのに、きっといるであろう、どこかの神様を頼んでいた。どこの誰の神なのか分からない。そんな時、人は自分の中に神を作る。まるで折り紙から鶴を作るかのように。
そんな感じで自分の中の神以外、信じることはできなかった。岸が消えることも仕組みさえも知らなかったわけだから、パニックになっていたのもしょうがなかった。
だが今は信じる。ないことがある事だってあるんだ。時々俺は自分にそう言い聞かせる。
この春から不可思議な連動するシンドローム。俺は体験してきた。だがこれからさらに俺に大きな難儀が待ち構えているとは、このときの俺には知る由もないというのは言うまでもない。
そんな感じで自分の中の神以外、信じることはできなかった。岸が消えることも仕組みさえも知らなかったわけだから、パニックになっていたのもしょうがなかった。
だが今は信じる。ないことがある事だってあるんだ。時々俺は自分にそう言い聞かせる。
この春から不可思議な連動するシンドローム。俺は体験してきた。だがこれからさらに俺に大きな難儀が待ち構えているとは、このときの俺には知る由もないというのは言うまでもない。


