blue moon
「お母さんのこと
お願いね」

璃乃に押しつけている気がして
後ろめたくなった。

「平気だって!!
それより
好きな人が
いるんでしょ?」

ニヤニヤしながら
きいてきた。

姉妹で恋愛話をしたことがなかったから
赤くなってしまった。

「アタシの話よりも
璃乃はどうなの?」

はずかしさのあまり
話を璃乃にふった。

「アタシは今
彼氏は三人で
遊び友達がイッパイ」

そう聞いて
安心してしまった。

家庭の事情で
遊ぶ時間もなく
彼氏も作れないなんて
かわいそうだ。

昔と変わらない
璃乃に
胸をなでおろした。


「じゃあ
ココでバイバイだね」

「たまには
帰ってきてよね」

璃乃は
姿が見えなくなるまで
アタシを見ていた。
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