17歳─恋のはじまり─
扉が閉まる音を
聞いて、

俺は医学書へ視線を向ける。


「…………」


ズキンズキンと痛む膝に
拳を思いっきり振り下ろした。

何で……
何で……


出てくるのは
そんな言葉ばかりで。


「何でなんだよ!」



俺は、
まだやりたいことあんだよ。

俺は、



────千紗と居たいんだよ。


まだ千紗に好きって、
きちんと言えてない。

あんな告白、
数に入らない。


「っ」

言葉にならない感情が
俺を蝕んでく。

嫌だ……
嫌だ……


千紗が遠ざかってく─…
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