17歳─恋のはじまり─
「あ、綺麗なお花…おばさんが来たのかな」

「そうだろうな」


あたし達が来たのは、
お墓の前。

ここに瑛司が眠ってる。


あたしは手を合わせて
目を閉じて。


合格したことと、
手紙を読んだよってこと、

瑛司のおかげで
夢が出来たこと、


たくさん報告をした。


「わわっ」


その時ふわっ、と
冷たい風が吹いて。

近くの木がバサバサと揺れた。


「…瑛司、かな?」
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