17歳─恋のはじまり─
最終章 21歳ー夏ー

1.「お前から言うんじゃねぇよ」

「あ、立夏?もうすぐ着くよー」

『ちょ、何のんびりしてんの!もう皆揃ってるよ!』

「え、でも集合時間午後1時って案内ハガキに…」

『馬鹿!違うってば!』

「?」

『始まっちゃったら、佐々木と2人きりになれなくなるよって言ってんの』



高校を卒業して
3年の月日が流れて。

今日はクラスの同窓会。


卒業するまで使ったあの教室で
皆と久しぶりに会う。

あ、もちろん先生からは
許可をもらって。


「は!そっか!」

『んもー、馬鹿ね。佐々木もとっくに来てるよ』


“佐々木”

その名前を聞いただけで
ドキドキと胸が高鳴る。


卒業して離ればなれになった
あたし達は、

最初は連絡取ったり
メールしたりしてたけど…


最近はお互い忙しくて
滅多に連絡が取れなくなっていた。
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