17歳─恋のはじまり─

4.「話さないと何も伝わんねーよ」

翌朝。


「千紗ー、遅刻するよー」

「んー…」



母親の声に

千紗が制服のネクタイを
結びなら返事。


鏡の前で自分の顔を見ながら
深くため息をついた。


「………」


なんて顔してんの、
あたし……


瑛司にあの後
連絡しても出てくれなくて。

LINEに既読すらつかない。



「……行ってきまーす」

「え、千紗!お弁当忘れてる!」

「あ、ごめん」


母親からお弁当を
受け取って。

家を出た。


足が重いな…


そう思いながらも
エレベーターへと足を運ぶ。

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