お見合い結婚


「医療費なんだけど 支払いは
ローンとか出来るかな?」


「カード払いなら出来ますよ」


「カードかぁ…
母さん持ってないよな~
うーん…どうしようかな?
まっ…父さんに頼もうか」


ブツブツと 言ってるのを聞いてると
裕福じゃないのは わかる。


「遼平は知ってるの?入院のこと」


「まだ 言ってないよ
あたしから言うから
それまで 黙っててね」


「うん 個人情報は
漏らさないから 安心して
それより ここにも印鑑を
押してくれるかな?」


押してない部分があったから
それを指摘すると


奈々子さんは 印鑑を押す為に
肩まである髪が
うっとおしかったのか
その髪を耳に掛け 残りの髪は
右から左へ流した時だった。


色白く 綺麗なその首筋に
愛し合った跡があったのだ。




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