ラジオドラマ
<Vampire>


「まさか・・・向こうから出向くとはな・・・。」


 カラスを目の前に、ジュードは思わずそんな言葉を漏らした。


“あなたこそ、よく私の存在に気がついたわね。”


 カラスは、その表情は変えずに、驚いた声・・・いや悪魔言語を出す。


「それだけの邪気を放っていれば、さすがに気がつく・・・。」


 魔族特有の邪悪な気配。


 ・・・・・それにしても、この悪魔・・・確実に悪魔特有の邪気を持っているというのに、どうしてここまで穏やかな目をしている。


 平和な世界は・・・豊かな時代は悪魔すら、こんなにも穏やかな目をさせるのか・・・。


 何が違う?


 何が・・・時代が国が違うだけで・・・・・・・・そんなのは、あまりにも不平等だ。


“そう・・・なら話は早いわ・・・着いてきて。”


 言うと、カラスはジュードを背に飛び立とうとする。


「待て・・・戦いを前に補給すらさせないのか?」


 仮にもこちらは長旅で疲れている。


 ある程度の補給を済まし、万全の体制で臨みたい。


 ・・・もっとも、それが向こうの狙いなのだろうが、そうは行くか。


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