I love you に代わる言葉
「はは……」
 乾いた小さな笑い声が洩れた。
「はは、はははは……」
 何が可笑しいのか自分でも解らなかった。ただ、可笑しくて仕方無い。ボクって可哀想な奴なんだなって他人事の様に感じるけど、別に悲しくもなければ悔しくもない。自分自身に哀れみの気持ちもない。だけど、奴らに、世界に、全てに向けられた憎悪だけは確かに感じた。
 感情のない笑い声を洩らしながら、作られた拳。
 闇の中で息をする身体。憎む事でしか生を繋げられない。肯定出来ない。ボクは要らなかったんだ。
 汚いものが愚かにも『ヒカリ』という名を持って。暗闇を抱えた人間に何て似つかわしくない名だろう。嫌いだ、こんな名前。憎しみすら感じる。
 だけど。


 ヒカリくん。


 そう呼んだ声は、酷く優しかった。
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