愛してもいいですか



「な、なんなんだよ!誰かっ……店の奴呼んでこいつを引っ張り出せ!!」

「っ……」



その瞬間、言葉にならない気持ちをそのまま表すかのように私は立ち上がり、日向の元へ駆け寄る。

日向はそんな私の手を握ると、そのまま走り出した。



「なっ……、えぇ!?」

「ちょっと秘書さん!止めて!架代さんを戻して!!」



背中に、三好さんたちの大きな声が響く。けれどそれ以上追いかけてこないところから恐らく、神永が止めてくれているのだろうか。

そんな光景を想像しながら、足は止まらない。目の前でひたすら、一生懸命にこの手を引いてくれる、その背中を追いかける。

走りづらい着物に、足元がよろける。けれどしっかりと、前を行く彼についていく。心が、導かれるように。





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