愛してもいいですか
「す、すみませ……しゃちょ、う……でも、あの……ブフッ、ふっ、あはははは!無理!限界ー!!!」
けれどこらえきれなかったようで、大声をあげて笑い始めた。
「なっ……何よ!そこまで笑うことないでしょ!?」
「いや、だって……その下手くそな笑顔……あーおかしい!変な顔!あーっはっはっはっは!!」
な、なんて失礼な男…!
そこまで笑われるとは思わず、頬を赤くして怒る私に、日向は笑いすぎて涙まで出てきている。
「ねぇ、皆さんも変な顔だと思いません?」
「え!?いや、でも……ふふっ」
それまで戸惑っていた社員たちは、日向の問いに笑い出す。一人が笑うと周りもつられて笑い出した。
「み、みんなして……!」
「す、すみません社長……でも、ふふっ」
日向のやつ、またこうやって私をバカにして……!おまけに周りも巻き込んで笑うなんて!嫌な男!
……あれ、でも。
気付けばその場の空気は先程から一転、社員たちが安心したように笑っている。
もしかして、日向……これを狙って?
ひーっ、と苦しそうに笑いを止める日向は、自分を落ち着けるように手元の水を一口飲んだ。