素敵な勘違い 〜負け組同士のラブバトル〜
重い足を引きずるようにして俺はアパートへ帰った。手にはコンビニで買った冷酒がぶら下がっている。今夜はヤケ酒だ。くそっ!
隣の真琴の部屋は、当然ながら明かりが点いていた。今頃はあの男とイチャついているのだろうか……
そのドアの前をさっさと通り過ぎようとした正にその時、中から女性の声が聞こえて俺は足を止めた。
『助けて、阿部和馬!』
微かにではあるが、俺の耳ははっきりとそう聞き取っていた。声の主はもちろん真琴だ。なぜにフルネーム? とは思ったが。
咄嗟にドアノブに手を掛けると、幸いな事に鍵は掛けらていなかった。そして勢いよくドアを開け、草履を脱いで数歩上がり込んで部屋の中を覗いたら……
あの男が誰かに伸し掛かっていた。誰かとは、もちろん真琴だろう。
その光景を見た瞬間、俺はカーッと頭に血が上り、半ば反射的にダッシュで近付き、男を足で蹴飛ばした。男は何か抗議めいた事を言ってたようだが、そんなものは関係ない。
床に横たわった真琴に目を向けると、彼女はずり上がったTシャツを手で引っ張り、泣きそうな顔で俺を見つめていた。
隣の真琴の部屋は、当然ながら明かりが点いていた。今頃はあの男とイチャついているのだろうか……
そのドアの前をさっさと通り過ぎようとした正にその時、中から女性の声が聞こえて俺は足を止めた。
『助けて、阿部和馬!』
微かにではあるが、俺の耳ははっきりとそう聞き取っていた。声の主はもちろん真琴だ。なぜにフルネーム? とは思ったが。
咄嗟にドアノブに手を掛けると、幸いな事に鍵は掛けらていなかった。そして勢いよくドアを開け、草履を脱いで数歩上がり込んで部屋の中を覗いたら……
あの男が誰かに伸し掛かっていた。誰かとは、もちろん真琴だろう。
その光景を見た瞬間、俺はカーッと頭に血が上り、半ば反射的にダッシュで近付き、男を足で蹴飛ばした。男は何か抗議めいた事を言ってたようだが、そんなものは関係ない。
床に横たわった真琴に目を向けると、彼女はずり上がったTシャツを手で引っ張り、泣きそうな顔で俺を見つめていた。