変愛
イケメン
十代に初めて付き合った彼は、色白にした速水もこみちに似ていた。

背も高く189センチで、かなりのイケメン。

出会いは先輩の紹介だった。
断る間もなく、会うことになって、なしくずしに、付き合う事になってしまった。
そう聞けば、仕方なくの様だけど、十代の若い私なりにも打算はあった。イケメンと付き合いたいと。

彼はかなりのイケメンで、今まで彼女が居ないのが不思議だった。

彼には親友がいた。
中川家の弟に似た風貌だったが、私に凄く良くしてくれた。
紳士的で食事の時には椅子を引いてくれ、ドアは開けてくれ、私の彼である、速水もこみち似より私に気を使ってくれた。
ある時、速水もこみち似の彼が私に本音を洩らした。
デートで三人で食事に行った帰り道の時だった。
「アイツが(中川家)お前を気に入ったから付き合う気になったんだ。
アイツ人を見る目あるし、そのアイツが勧めるんだし…。
まあ、会ったら綺麗だったし、付き合っても良かったかなって思って…。」

私は一瞬戸惑った。

中川家弟似の彼の好みじゃなかった場合私達どうなってたんだろう?
そんな私の戸惑いはもこみち似の彼にはお構いなしにもこみち似の彼は、照れながら、中川家弟似の彼の事を語っていた。照れた顔。
彼の顔の方が私なんかよりかなり綺麗だった。

それから私達はいつでも三人だった。

速水もこみち似の彼が口下手な分、中川家弟似の彼が盛り上げてくれた。
奇妙な三人組だったが、それはそれで楽しかった。
彼の後輩から真実を聞くまでは…。
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