変愛
変愛
「…ちゃん、手が小さいね。」
女の子の中では普通より大きいと思うけど…。
「中川家とは違う、触っていい?」
断る理由がないから私は頷いたが、なぜここで中川家が出てくるのか疑問に思っていた。
「柔らかいね。
痛くない?力加減難しいね、女の子は」
とびきりの笑顔で
イケメンが笑いかけ、私の手を握っているのに、私はなぜか違和感を感じた。
違和感が何かを考えてるうちに、もこみちの手が私の髪に触れた。
「…ちゃん猫毛、
中川家とは違う。
アイツは硬いから…」
もこみちが私の髪の毛を触りながら、そう呟いた。
いつもの事だが、
もこみちの言動には必ず中川家が関わる…。
私の髪の毛を触りながら、もこみちは中川家を思い浮かべているのだろうか。

「…ちゃん!」

突然、もこみちに名前を呼ばれて私は、慌てて顔を上げた。もこみちが、潤んだ瞳で私を見ていた。
夕日が差し込み、もこみちの顔に憂いをおびさせている。
もこみちの好みは
髪の長い女性。
化粧してるより素顔
露出度少ない服。
もこみちは背が高いけど、座ったら私と同じ目線になるから
必ず座ってから私の顔を見る。
もこみちの目には私の顔が綺麗に見える らしく、たいてい
「綺麗だね」
「顔立ちが整ってるね。色白だね」
と言った。
言われるたびに、私が思ったのは
もこみちのが綺麗で顔立ち整ってるよだった…。
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