赤と青の恋
今日は茜が大好きだという並木道を歩く。
周りの木々や、店屋はクリスマの飾りや電飾が施され
流れてくる曲もクリスマスソング一色。
歩いていくその先に小さな人だかりがあった。
そこを通り過ぎようとした
その時誰かに名前を呼ばれた気がした。
“アオイ"
まさか…
「碧!」
振り返ると俺に手を振る杏奈の姿があった。
駆け寄ってくる杏奈。
「久し振りね元気だった?今、雑誌の撮影だったの」
茜は半歩下がり俯いてしまった。
「…」
茜は俺の腕から手を離してしまった、俺はすかさず茜の手を握り歩き出した。
「茜!行くぞ」
「碧ちょっと待って」
「なに?」
「私ね今度、映画に出るの
もちろん主役じゃないけどね!公開は来年」
「それだけ?良かったな」
「うん、…それだけ…あっ彼女?」
「そうだ」
「そっか…碧、元気そうで良かった
引き留めてごめんね、じゃ行くわ」
“杏奈…会いたく無かった"
俺をフッった女。