赤と青の恋
☆会いたくない人
季節は冬
クリスマまであと2週間
そして今日は約束の日曜日
茜との待ち合わせ場所は、いつもの駄菓子屋。
駄菓子屋のお婆さんとは、すっかり顔馴染みになって
雨の日なんかは店の中で談笑するまでになった。
「アオー寒いねー
アオの鼻真っ赤だよ」
「俺、寒いのマジ苦手、茜はさーいつも元気だな」
「まぁねー
アオが一緒だと元気百倍!」
「おっ!元気百倍とかって…久しぶりに聞いたぜ」
自然に繋がれる手。
俺達のデートは、とっても地味かもしれない。
公園で散歩したりファーストフードで食事をしたり
ただ、それだけ。
高校生らしいといえば、それまでだが
ついこの間までは違ってたから…
俺に付く女は必死だった。
俺が喜びそうなことを、したがる。
それが嬉しいとか幸せとか一度も思ったことは無かった。
愛も無く、息苦しい、
ぎこちない付き合い方。
俺が自然体でいられる女は茜
そして、もうひとりいたが…
… 忘れた