Candy House
「そうだ!」

監督さんがポンと、手をたたいた。

「すっげー古典的な思いつきの仕方だなあ」

安部さんが呆れたと言うように言った。

思いつきって、監督さんは一体何を思いついたって言うんですか!?

「安部くん、一体何を思いついたって言うの?

もし悪いことだったら、この前みたいに手刀を使ってこいつを黙らせて…」

あたしと同じ何かを察した上野さんの頼みを、
「断る」

安部さんが言った。

「ええっ!?」

あたしと上野さんの声がそろった。

「えっ、どうしたの?」

監督さんが驚いたと言うようにあたしたちに視線を向けた。
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