Candy House
「またこいつか?」

上野さんが顔を出したら。

「いい加減、あきらめろよ。

ノゾミちゃんは俺らに愛されてナンボの女の子なんだから」

安部さんがあたしの唇に自分の唇を落とした。

ちょっと待て!

愛されてナンボって、何ですか!?

しかも人前です!

「カサノバ、あの女の顔に飛んで行け」

上野さんがそう言ったと思ったら、
「にゃーっ」

カサノバが生形さんの顔に向かって飛んで行った。

「きゃあっ!?

何なのこれ!?

何も見えないじゃないのぉ!?」

カサノバに視界を奪われた生形さんはあっちをフラフラ、こっちをフラフラし始めた。
< 269 / 370 >

この作品をシェア

pagetop