Candy House
「んじゃ、俺らも食事にしますかな」

上野さんが安部さんの手からフォークとスプーンをとった。

「早く飯食って、早く行こうか」

そう言った安部さんに、
「どこかへお出かけするんですか?」

あたしは質問した。

「出かけるって、ノゾミちゃんも一緒なんだけど」

質問に答えた安部さんに、あたしの頭の中がクエスチョンマークで埋まった。

そんなあたしの頭の中を見たと言うように、
「だって、いろいろとそろえなきゃいけないじゃん。

服とか生活用品とか」

上野さんが言った。

「えっ、でも…」

あたし、お金持っていないんですけど…。
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