Candy House
「お前、言ってるそばから魔が差してんじゃねーぞ」

安部さんがあたしの唇に自分の唇を落とした。

「安部くんだって魔が差してんじゃねーか」

上野さんがそう言った後、あたしの唇に自分の唇を落とした。

「2人共、“魔が差した”の意味が違いますから!

って言うか、星ボンさんいますから!」

あたしは目をそらしている星ボンさんに視線を向けた。

「おい、星ボン」

安部さんが星ボンさんを呼んだ。

「明日さ、俺たち麻子ン家に行って、美形の珍客の顔を拝んでくるから」

そう言った安部さんに、
「えっ?」

「俺たちが行くの?」

あたしと上野さんは聞き返した。
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