手をのばす
しばらくして、

「女の子二人に囲まれて食事なんて光栄っす!ぜひご一緒しましょう(親父くさっ)」

と返事が来た。

思わずふっと微笑がもれた。



沢渡と、せっかく仲良くなれたのに。

やっと好きだと気づいたのに。

この気持ちを押し殺して、沙耶に協力しなければならないの?


「ほんと、親父くさーい。じゃあ今週金曜日の夜はどう?」

鬱々と気持ちが沈んでいるのに、指先は明るい女を装っている。

こんなとき、メールが便利か不便かがわからなくなる。


「了解!」とすぐに返信が来て、ふっと息を吐いた。


金曜の夜のことを考えると、今から早速憂鬱だった。
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