手をのばす
幸いキー操作音を、沙耶は無効にしていた。

ふるえる指でメールボタンを押す。


沙耶の言うとおりならここに、沢渡とのメールが入っているはず。



あれから結局沢渡に、沙耶とのことは聞けないままでいた。

なら、沙耶に聞くしかなかった。


でも直接は聞けないから・・・・・・。



こんなの卑怯だってわかってる。

本当の友達なんて言って、かけ離れた行動だって、わかっている。



でも、それでも、どうしても確かめたかった。

自分で自分を裏切る。

それでも強い衝動があった。


手のひらに自然と汗がにじんでいる。
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