手をのばす
しばらくして沙耶が顔を上げて「あ」と言ってから


「じゃあさ、由紀子も一緒に行く?」

と誘ってきた。

「え?」


思いがけない言葉に私はフォークを止めた。



「親戚だし、無理にお願いすれば一人くらいなんとかなるんじゃない?あ!それってグッドアイディア!そうしよ、行こうよ。ね?」


彼女は自分の鼻の前で両手をパチンと合わせて、目を大きく見開いた。
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