手をのばす
私が外にいる?ほかの人が中にいる?

その逆?私が閉じこもっている?


時々わからなくなることがあった。



とけこめない私を不憫に思って、輪に加えようとしてくれた優しい人もいた。


とても気を使って話しかけてくれて、笑いかけてくれて、私はわずかに持った勇気を頼りに、前に進もうとした。


ただただ手探りで。


でも・・・と私はやっぱり立ち止まる。

「気持ち悪い」

そんな声が耳の奥で聞こえるから。

いつかの誰か。

顔も思い出せない誰かのささやきが、ぬぐってもぬぐっても、聞こえるから。
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