『エレベーター』from The Eleveter
震えて笑っている膝を両手で押さえ立ち上がり、ガクガクと壊れたブリキ人形の様に逃げる。ときどき後を見る。怪物はスピードは自分と同じ位遅いが−まるでわざとしている様に−確実に距離はせばまって来ている。巨大な口を開け怪物は、獲物にありつける、やっとだ、どれ位ぶりだ、どれ味わって喰ってやるかな。よだれが垂れる音までもが聞こえる。ビチャビチャ。ジョンは必死に逃げている。

怖い。

凄く怖い。

どうすればいいんだ。

これは夢なんだけど、あれに捕まりたくない、何か本当に死んでしまいそうだ。

早く目を覚ませジョン・スミス!早くしろ!

何も無い干ばつ状の地面を走る。山々の洞窟内、山の岩陰が不気味にそこらかしこにある。いつあそこから別の怪物が来るか分からない。そうなりゃ絶対終わりだ。怪物は遊んでいる。ジョンとの距離は約25ヤード程まで近づいていた。

ハァーハァーハァー。必死に走る。

道が二手に分かれていた。1つの巨大な左右に延びている、迷っている暇はない。ジョンは左のへと走った。ジョンは運も悪かった。左へ行き、別の山々の洞窟内から怪物が滑って来た。
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