too cute(可愛すぎる)
「早瀬君」


「はい」


課長に呼ばれて席を立った。


「何でしょうか?」


さっき提出した書類に不備があったのか?


「早瀬君に頼みがあるんだが」


「何でしょうか?」


課長の薄くなったてっぺんを見る。
課長も老けたな~。


「―‥―‥―‥で、お願い出来るかね?」


「はい。あっ、いえ、すみませんもう一度お願いします」


ゴニョゴニョと言った課長の声が聞き取れなかった。


「来週から営業二課に行ってくれんかね?」


「えっ、私がですか?」


「二ヶ月間でいいんだがな。結婚した前野さんがオメデタでね、体調が悪くて早めに産休に入っちゃってね」


「はぁー」


頼りなく相づちを打つ。


「人事が間に合わなくてとりあえずヘルプと言う形でうちの課から出してくれって言われてね。早瀬君が適任かと思ってるんだがね。二ヶ月、頑張ってくれんかね?」


就職してからずっと同じ課で過ごしてきた。
女性社員が異動とかほとんどない。
たかが二ヶ月と言っても課が変わるのだからそれなりに不安はある。


それも営業二課か。
……本宮がいる課。


課長がつぶらな目で私を見てる。


う~ん。
仕事だからしょうがないか。
課長に解りました。と返事した。








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