杉浦くんの手と私の手。
杉浦くんはその手紙を読むと、また笑った。


そしてその手紙を私に見せながら、小さな声で言った。


「どーいたしまして!」


私たちはお互い顔を見合わせて、また微笑んだ。


私はノートに目を落として3番の式をもう一度解き直す。


あ、本当だ!


3番の答えが違うや。


私は杉浦くんを見ると、杉浦くんも優しく笑いながら私を見てた。


そしてコソッと私に言った。


「バーカ」


悪戯っ子みたいな顔で笑いながら。


杉浦くんはいつもこうだ。


ちょっと口が悪くてすごく優しい。


人が困っているとほってはおけないのだ。


杉浦くんはいつも私に間違っているところを教えてくれる。


そして私が解き直せるまで、微笑みながら見てるんだ。


それは私に限ったことじゃない。
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