君に咲く花火
今夜、ここからいなくなるなんて信じたくない。

あっという間に帰る日が来てしまった。
はじめは長い、と思っていた帰国の日も、残り少なくなるとどんどん時間だけが早く過ぎて行った。

なんで、楽しい時間はすぐに過ぎちゃうんだろう・・・。

「ほら、おいで」

「うん」

隣に座ると、左手で私を抱き寄せた。
ソムチャイの肩に頭を預ける。

「空港行けない、ごめん」

「うん、平気だよ」

ソムチャイの退院は、肺炎をこじらせたらしくまだ先になるそうだ。

熱はもうないみたいだから、無理やり『退院する』と言って、病院を困らせたらしい。
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