君に咲く花火
「ソムチャイ・・・。私も、離れたくない」

「実羽」

今度は正面から抱きしめられた。
ソムチャイの胸のあたりに顔があたった。

その力強さに、心に吹き荒れる嵐が弱まる。

「いつも、実羽のこと考える」

両手をソムチャイの背中にまわして、私はうなずく。


それしかできないから。


ずっと、こうしていられたらいいのに。

毎日、ここで大好きな人と暮らせたならいいのに。


・・・ああ、そっか。


だから、お姉ちゃんは結婚を決めたんだね。


今なら、わかるよ。
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