君に咲く花火

1

重いスーツケースをなんとか玄関まで引きずると、
「ただいまー」
と、家のドアを開けた。

朝の6時に日本にようよう到着したけれど、飛行機の中であまり眠れなかった私は疲れ果てていた。
すぐにでもベッドにもぐりたい気分。


なのに・・・。


「お父さん?」

目の前には仁王像のような顔をしたお父さんが立ちはだかっていた。
その顔は、真っ赤になっていて怒っているのがわかる。

「え・・・? どうしたの?」

リビングからお母さんが顔だけ出して、苦い顔を見せた。
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