一生に二度の初恋を『あなたへ』


前同じグループだった子は文系選択者が多いし、同じ理系でもみんなクラス離れるし。


クラス発表がされたときは本当に唖然とした。


今まで何とか友達は作れてきたから心配はしてるようでしてないけれど。


それにしたって、口下手としては堪える。


あーもー、最悪だ。先生たちの意地悪……。



新しい教室は一階から二階になったからか、一年生の頃とは違う雰囲気でソワソワする。


先生の話に耳を傾けながら、キョロキョロしてこれから自分のものになる焦げ茶色の古びた机を見ると。

前の先輩が残していったのか小さく相合い傘が書かれているのを見つけた。



わぁ……青春っぽくてこういうのいいな。



宝物を見つけた子どもみたいに、心の中ではしゃぎながら人差し指で、相合い傘をなぞった。



「俺に質問あるかー。何でもいいぞー」


はっと我に返ると教室が静まり返っていた。

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