一生に二度の初恋を『あなたへ』


「暑さで気が遠くなるよ…ね……」

「うん。そーだねー」


ここまで言っても駄目な訳……ね。



「はい、次。高梨さんと如月さん。二人とも頑張るわねー!!」

「少しでも良い記録出したいので!!」


隣で準備体操をしてやる気満々の結愛ちゃんが元気に明るい声で答えた。

「さすが陸上部‼︎」



サッと急いで髪をポニーテールにしばり直す。ちょっとは暑さマシになるよね。


セミロングぐらいの長さだった髪は、冬からずっと伸ばしていてもう背中の方まである。


髪の毛伸びるの速いな……わたし。



クラウチングスタートの形になって、横を見るともう女の子たちはお茶を飲みながら体育館の端で休憩タイムに入っていた。

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