一生に二度の初恋を『あなたへ』


笑ちゃんへの手紙を二つ折りにして封筒に入れると、ポストに投函するためにサンダルを履いて家を出た。



朝早いって言っても意外に色んな人起きてるよね。


開け放された窓から聞こえるラジオの音。

草むしりをしてるおじいちゃん。

朝からランニングをしている人。



あれ――?

男子の高校生ぐらいの人が三人組で走っているのが見えた。わたしの学校の陸上部のユニフォームに似てるような……。



いや……まさかね。


思い直してまた歩き始めるけど。



「あ、高梨じゃん!!」


そう言って斎藤くんはペースを一気に速めてわたしの近くへ来るとゆっくり止まった。



「よっ久しぶり」

「おっお久しぶり……」


まさかこんな朝早くから会うなんて……というか朝からその笑顔が眩しい。

そしてわたしの顔も髪の毛もまだ寝起き状態で、服は完全にラフスタイルだからあまり見られたくない。

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