劣等審判
すべては私の叶えられた“何でも出来る”で皆の思考を操り彼らの死を自殺という状で片付けている。

「皆の思考を操るとか案外難しいんだよ?」

誰一人といない図書館の辞書のコーナーに語りかける。

「それにね? 卒業。何回目だと思ってるの」

当然、それにも答えない。

「私の名前、知りたい?」

「しりたいな。あの時教えてくれなかったじゃないか」

背後から声がした。あの声はよく覚えている。

自分を追い詰めた。あの時の声とは違うがよくわかる。

「死んでる君に言っても意味はないよ」

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