劣等審判
 全員集まった。7人全員。

 すると、そのとたんまた辞書のコーナーから何が落ちる音がした。

 いやいや千葉が取りに行った。そして落ちていた辞書を拾い、パラパラ捲り始めた。そのすぐ後にため息を吐いた。また、赤い封筒だ。

「またかよ」

 滋賀が言った。

 千葉が封筒を雑に開き、内容を読み出した。

「……来てくれてありがとう。ここには悪人が何人かいる。善人はその人を殺してくれ…」

 とても短いがその中にも何らかの恐怖が含まれていた。

「要するに、この中に悪人がいるってわけでしょ?」

 あまりにもさらっと言う宮城。もしかして宮城が…。

「始まりは13:10より。……手紙の内容は以上だ」

 千葉が手紙を破ろうとするのを岐阜が止めている。

「ダメっすよ。もしかしたら火で炙ると悪人の名前が出てくるかもしれないっす!!」

「そんなことないだろ!!そんなゲームでもないこと…」

 途中で千葉の言葉が止まった。そしてうつむき、手紙を軽く握った。

「ゲームなんだよ。これは」

 山口が外を見ながら呟いた。

 これはゲームなのだ。悪人がいるんだ。この中に悪人が…。

「悪人は…殺してやる…」

 どこでも見た事のない山口がそこにはいた。
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