劣等審判
「聖歌…?何言ってる…の?」

 葵さんが心配そうに山口の顔を覗きこむように言った。それに山口はなかなか答えない。僕の口から自然に言葉が漏れた。

「まさか山口悪人以外も殺す気じゃ」

「確かに、それが一番早いな」

「何言ってるの!?千葉!?ふざけないで!!聖歌はそんなこと…!!」

「へぇ、なるほど…面白いねそうするかい?」

「はぁ!?本当何言ってんの?!聖歌、馬鹿じゃないの!?」

「私は馬鹿じゃないさ」

「そんなの皆知ってルだろ」

「滋賀は黙れ」

「いつになく厳しいな石川」

 そんなことない。ただ滋賀を喋らせたら宮城がキレるだろう。こんなにも口論になっているのにキレたら押さえれる人は岐阜位だ。

「別に殺ったっていいんだよ。私が生きるためだもの」

 宮城が唇を噛みしめている。

「し…死刑になるっすよ!!?」

「そんな簡単に死刑にならないよ」

 僕は岐阜に言う。
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