劣等審判
「山口と一緒に図書館に行く理由がないんだけど」

「私らが図書館に行くのに理由なんて必要かい?いらないだろう。私はただ単純に授業をサボりたいだけなのだが」

 理由が山口らしい。山口は授業はサボっているものの常に学年1位を保つ秀才だ。こういうキャラ、漫画とかライトノベルとかにはよくいるが、実際ほとんどいない。

「君が思っていることを当ててあげよう。そうだな、『なんで山口は授業をサボっているのに頭がいいんだ』・・・あたりかな。特別に教えてあげるよ。私はね、そういう存在なんだ。それ以上の何者でもない、山口聖歌という人間なんだよ」

 答えになってない・・・。

「まぁ、私以上に凄い人間がほら、来たよ」

 山口が指を指した方向を見ると、僕のよく知る人物がやってきた。

 きっと彼女も僕のことをよく知っている。

「やぁ、御機嫌いかが?宮城さん」

 彼女、宮城亜美は非常に不機嫌そうな顔をしている。

「聖歌・・・なんで朝からあんたに会わなきゃいけないのよ・・・。石川にも・・・」

 鮮やかな金髪の髪がよく目立つ少女。宮城亜美だ。
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