crazy black
カカ…サー
シャーペンを走らせる。
今井は窓の外を見ている。
「…なぁ。ちょっと相談所していいか?
」
「………」
「あのな」
おい。誰もOKなんて言ってない。
「俺、尊敬してる女がいるんだよ」
サー…
「その女はいまにも俺の前から消えて行
きそうなんだ。なにも言わずに、1人で何でも抱え込んで」
「………」
サー…
「俺って頼りないか?」
「……」
「悪い、いまのは忘れろ」
5分くらいたった頃だろうか。
シャーペンを置いて、先生に喋りかける。
「先生。先生は頼りなくはないですよ。
先生が言っているその女も、先生自身も、昔の事を思い出してみてください」
「…え」
「それでは、さようなら」
「ちょ、まて!課題!」
俺は小走りに2人の元へ走った。