どこまでも、君色
授業が始まりしばらくしてから隣の瀬名君を盗み見してみる
あ、寝てない
古典の時間て結構眠くなる
瀬名君は寝てないけどわたしがやばいかも
そう思ってウトウトしていると
「ここ読んでもらうかな、じゃあ、高野」
ん?
やばい、わたしだ!
とっさに教科書に目を向けるけどわかるはずもなくて
どこ読めばいいんだろう
と焦っていると
「36ページの10行目」
視線だけこちらに向けた瀬名君がボソッと言った