psi 力ある者 愛の行方
「あいつといつも一緒にいる未知を見るのは、嫌なんだっ」
泉は、少し興奮気味に語尾を荒げる。
「嫌だって言われても……弟だし……」
「あのさ、よく考えてみてよ。普通姉弟だからって、いつも一緒になんていないじゃん。小さなガキでもないんだし。高校生の男と女だよ。どう考えたっておかしいじゃんっ」
そっか、一緒にいるのっておかしいんだ。
突然できた姉弟だから、そういうのよく解らないや……。
「あの……」
「……だからっ、あいつとばっかじゃなくて俺と一緒に――――」
「―――― 泉」
一人、興奮気味の泉を制するように私は静かに言葉をかぶせた。
姉弟である陸の事を疎むような言葉の数々。
いくら泉でも、家族の事へそんな風に口出しして欲しくない。
「あのね……泉。前にも言ったけど陸は、弟だから」
一緒に居る事を嫌がられても困ってしまう。
「あとね、泉への返事なんだけど……。私、泉と――――」
少し距離を置きたいの。
そう言おうとしたら、泉の手が私の口をふさいだ。
「んっ! んんんんっ!?」
続きをしゃべらせないよう必死に抑えてくる。
私は、目を丸くして泉を見た。
「その先、聞きたくないっ!」
えっ……?
私は驚きに目を見開いた。