大事は失ってはいけないもの
お祭りの思い出
「お前はこっちに来なさい。」

と夏樹はおじいちゃんの部屋に連れていかれた。

「友梨大丈夫だよ」

夏樹は笑うとおじいちゃんについて行った
私は何もしてあげられないの?

私はおばあちゃんと二人で待っていた。
でも、もう遅い。

「友梨ちゃんお風呂に入って寝なさいな」

とおばあちゃんが言った。
気が紛れるかはな?

「うん」

お風呂に入って居たとき考えた、こんなときゆーちゃんはどうしただろうと。でも思い浮かばない。

「何にも知らないじゃんゆーちゃんの事とか夏樹の事も私役立たずじゃん」

と私は湯船に顔を入れる。
体はピリピリしないのに顔だけはピリピリして痛くて、涙が出てる感じはするけど涙は形すら分からない。
水の中は息が出来ない。私は酸素がないと生きていけない。ゆーちゃんがいないと生きる意味が分からない。
お風呂から上がって居間で休んでいると眠くなっていた。

「友梨」

と声をかけたのは夏樹だった。

「何?」

「俺まだおじいさんと話しがあるから、先に寝てて、終わったら帰るから」

とまたおじいちゃんの部屋に行く。
じゃ、お言葉に甘えてと思い部屋に行く。
電気を消すと。
もう寝ていた。

「う…う?」

私はなぜか目が覚めた。まだ明るさから見て4時位だすると廊下?いや中庭から歌が聞こえた。
私は釣られるように歌をたどった。
影に隠れて、そっと中庭を見ると。

「今君と生きる時間を大事にしよう。
涙は見たくないよ。笑顔を見たい。
別れでも笑えば悲しくないんだ。
変わらない笑顔を僕と見せて。
僕が愛するは笑顔の君だ…」

とそこに居たのは普通の洋服を着ている夏樹だ。切ない歌声、笑顔と言う言葉がたくさん出て来る。歌
夏樹は空を見ながら、泣いて居た。

「夏樹?」

「友梨?」

「泣いてたの?」

「アハハ恥ずかしいな」

「恥ずかしくないよ。泣くことは」

と私はボソと言った。

「うんそうだね」

と笑う夏樹。

「さっきの歌何?」

「あーあれはある男の子が歌ってたんだ、優しそうな男の子が」

その時浮かんだのはゆーちゃんだ。

「そっか」

「うん」

「って何で夏樹いるの?」

「あーおじいさんが泊まって行けって、服まで貸してもらって」

「そーなんだへー」

あのおじいちゃんが泊めるなんて男を。

「いいね。こう言うのもなんか暖かい、今まで恨んでた人間がこんなになってたとは知らなかった」

「アハハハハハ」

私は笑った、なぜかは分からない。でも涙も出た。

「友梨?」

「ごめんねなんか嬉しくて」

言い訳だけど。

「そうだね。嬉しいね何かを知るって楽しいし嬉しいね」

と微笑む

そして朝食を食べていると。

「友梨、今日のお祭り行くのか?」

とおじいちゃんが言った。

「はい、行きます。」

と何より早く夏樹が答えた。
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