その一瞬さえも、惜しくて。

彼女は、おはようと返すわけでもなく
ただ僕の目を見て何も言わず席に着く。



きっと、それが彼女なりの
挨拶なんだと僕は思っている。



たったそれだけでも僕は幸せだと
感じていた。



そんな日がなんとなく過ぎていって
梅雨も空けたある日のことだった。





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