完璧上司は激甘主義!?
涙が溢れそうになり、咄嗟に目元を押さえようとした時。

「クククッ……。新さんに感謝ですね。こんなにも余裕ない南さんを見ることができたのは」

「――え?」

大高さんは堪えるように口元を手で押さえながら、嬉しそうに笑っていた。

「でも、余裕ない南さんって男の僕から見ても、素敵だと思いますよ?」

「……っ!」

いつも通り……いや、いつもより余裕のある大高さんといつになく余裕のない篤人さん。
それでも私は、余裕ない篤人さんがかっこよくて、素敵だなって感じてしまう。もちろんいつもの隙のない篤人さんだって好き。
でも今の方が本当の篤人さんって感じがして好きだな。

そう思うといつの間にか口元は緩んでしまう。
ふと篤人さんと目が合うと、篤人さんは困ったように眉を寄せそっと小声で囁いた。

「……あまり見るな」

言葉とは裏腹にほんのりと耳を染める篤人さんを見ては、なんの意味も持たない。
私の口元はますます緩むばかりだ。
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