完璧上司は激甘主義!?
「バカだな、麻帆は」

眉をハの字に曲げ、伝う涙をそっと拭ってくれた。
そしてその手はそっと優しく私の頬を撫でる。
くすぐったさに一瞬目を閉じてしまうものの、すぐに目を開ければ篤人さんは愛しそうに見つめていた。

「さっきの麻帆の言葉、そっくりそのままお返しするよ」

「――え?」

驚く私の額に、コツンと篤人さんの額が触れた。

「俺がそれを聞いて麻帆のことを嫌いになると思ったのか?……そんなこと、あるわけないだろう?」

「篤人さん……」

ゆっくりと額が離れると、触れるだけのキスが落とされた。

「俺は麻帆だから好きになったんだ。俺の性癖を知っても引かずに好きでいてくれて、そしてズボラだけど、いつも真っ直ぐで優しい麻帆に、心底惚れているよ」

「……っ!」

至近距離で囁かれる愛の言葉に、顔が熱くなる。
そんな私を見て、篤人さんは嬉しそうに笑うと何度も何度も、触れるだけのキスを落としてきた。
角度を変え、何度もリップ音を鳴らすキスに、羞恥心を煽られる。

恥ずかしいけれど、でもやめてほしくない。
そんな矛盾した考えが頭を巡っていく。
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