完璧上司は激甘主義!?
でも待って。
今は朝だよね。こんな朝っぱらから泥棒が入ってくる?
来るならきっと夜のうちに決まっているよね?

そう思っていても一向に物音が消えることはない。
記憶がない分、ドアを開けるのが怖い。
本当に泥棒だったらどうする?
そっ、それともドラマの世界でよくあり得るシチュエーション?気付いたら見知らぬ人が私の部屋に!?ってやつだろうか。
それか、まさか田村さん……?

よくよく考えれば、私同様田村さんもガンガン飲んでいた。
私が記憶を失くすほど飲んだとなると、田村さんも同じ状況にあったのかもしれない。
もしかして私、記憶にないまま田村さんを家に連れてきちゃった……とか?

そういえば前に田村さんは実家暮らしだって聞いた気がする。
だとしたら両親の手前、帰りづらくて家に泊まったって可能性があってもおかしくないよね?

なんとか良い方向へ話を持っていきたいものの、記憶がない以上、不安は拭い切れない。
周囲を見渡すと無造作に鞄が転がっていた。

足音を立てぬよう歩き、鞄の中からスマホを探し出す。
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