完璧上司は激甘主義!?
「そう、だな」

裕介の言うように、職場恋愛から結婚する流れが多いのは確か。
特にうちの職場は“結婚”を商売にしているからだろうか。
よく誰と誰が結婚したという話を、耳にする機会が多い気がする。

「だろう!?そんな出会いの宝庫である職場でお前ときたら……。もう少しさ、愛想よくすればいいんじゃねぇの?篤人いっつも真面目そうな顔してんじゃん」

「仕事なんだから当たり前だろ?」

仕事中にヘラヘラしている方がおかしい。

「第一俺とお前とじゃ部署も違えば、仕事内容も違うだろ?」

裕介は営業。
営業に笑顔はつきものだが、企画課には無必要なもの。

「それはそうかもしれねぇけどさ。……じゃあせめてもう少し女子には優しく接してみれば?そうすれば、潔癖上司に好意を寄せてくれる天使ちゃんが現れるんじゃねぇの?」

「優しく……ねぇ」

そう言われて頭をよぎるのは、新入社員のひとり田村だった。
パンフレットのチェックミスをし、今日怒ったばかりだった。
でも新人である彼女にただ怒ったつもりはない。

俺の中では最大限に優しくしたつもりなんだが……。それは彼女には届いていないのだろうか?
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