別れ道


それは誰への謝罪か分からない。


父が気にしたのは最後まで世間体だけだった。
母が気にしたのは最後まで父の機嫌だけだった。


二人とも医者のくせに、小さな命を軽んじた。


あんな両親を祖父母に生まれてくるぐらいなら…祝福されずに生まれてくるぐらいなら…これで良かった?


虚ろな目から流れるものが一筋。


その時。


「ママ、おばあちゃんもうすぐ退院できるって本当?」


「本当よ〜。良い子にして待ってなくちゃね!」


「うん!」


病室の外から聞こえてくる楽しげな会話。


(………“ママ”…)


ああ、


もう駄目だ。


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