別れ道


…そうか。
そうだよね。


「……“生きる”…」


「でも、今は」


慧の腕が加奈子を包み込む。


「泣いても良い時なんだと思う」


涙声。
顔は見えないけど、慧が泣く姿を加奈子は初めて見た。


「…っ、ごめ、んね…っ産んであげられなくてっごめん、ね……!」


「っごめん、な…」


青い空に白い雲。
屋上に響くのは煩わしい蝉の鳴き声と二人の嗚咽だけだった。――


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