別れ道


「ひっ、久し振り…」


会うのは八年振りになる。
高校生の頃と少し雰囲気の変わった慧が驚いたような顔をし、口を開いた。


「久し振り…伊勢原さん」


その言葉に、加奈子は顔を強張らせる。


動揺して視線を下げた先にあったのは、薬指に指輪をはめた慧の左手だった。


――あぁ、そっか。
――あの頃とは違うんだよね。


「…ううん、今は伊勢原じゃなくて秦野なの」


< 20 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop