私は彼に愛されているらしい
正直に言えばアカツキくんが何を好きかなんてまだ詳しく知らない。それでよくプロポーズなんてしてくれたなと思うけど、きっとアカツキくんは私の事をよく分かっているんだろうな。

不思議だけどね。

「今日はここまでかな。」

メインにしてるディナーのお店も決めたし、あとは数を揃えるだけなんだけどネタがない。

だって相手は27才の青年。

サプライズを勤しんで年の数だけやるなんてことするのは学生が殆どだ。だから参考にするにしては幼いところもあるのよね。

でもまさか、自分がこんなことするなんて。

「みちるがこんなことするなんてねー。」

「うわっ!」

急に声が降ってきて思わず叫んでしまった。

「あ、驚かせてごめーん。」

「舞さん…驚いた。」

「意外と早く終わったからみちるとご飯行けるなと思ってさ。食堂に居なかったから1人で食べたけど、まさかの寄り道で発見。」

そうなんだ。今は昼休憩の時間で、今日は舞さん会議が長引くのと有紗が休みとで1人のランチが決まっていた。

だから売店で適当に買って人のいない休憩スペースでサプライズを練っていたんだけど、見つかったな。

「竹内くんの誕生日?いつなの?」

「あと1ヶ月以上先なんですけどね。」

見られた以上隠してもしょうがないし、舞さんならいいやと思って私は机を押すように体を伸ばした。

まだ時間はあるだろうけど、やっぱり思いつた時じゃないと作業は進まない気がして。
< 116 / 138 >

この作品をシェア

pagetop